一応、私自身は元医療職者としてガン患者さんの気持ちを分かろうと
努力はしてきました。しかし、どんなことにおいても
「当事者になってこそしか分からない気持ち」
というのはあるわけです。
- そのガン患者当事者および家族の不安や悩みがギュッと詰まって、
- そして後ろ向きな気持ちにどう向き合っていけばいいのか
が書いてある本「孤独を克服するがん治療」についてご紹介したいと思います。
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「孤独を克服するがん治療」ってどんな本?
私自身が患者の家族になって分かったことの一つは、
「ガン患者とその家族」って意外と孤独だし、
この気持ちを分かってもらえる人がまわりにいないことが多い
ということです。
希少ガン、生存率の低いガン、ガンのステージ4を宣告された人は、
特に孤独をより感じます。
以前紹介したすい臓がんで亡くなった山本文緒さんの最後のエッセイ「無人島のふたり」
という本のタイトルが良い例です。
どうしてこんなタイトルになったのか、読んでもらえれば分かりますが、
今や2人に1人はガンになる時代なのに意外とガン患者は孤独なんです。
そんな
孤独で
不安で
後ろ向きな気持ち
にどう向き合っていけばいいのかが書いてある本です。
ガン治療医が聞いてきたがん患者の悩みが書いてある
数多くのガン患者を診てきた医療職者が、ガン患者の心理をある程度は理解できるかもしれません。しかし、残念ながら
当事者とその家族の心理を当事者以外の人が完璧に理解はできません。
ですから、ただのガン治療医がこの本を書いていればそれはうわべに過ぎませんが
この本はそうではありません。
著者のガン治療医(腫瘍内科医師)である押川勝太郎先生が中心となって開かれてきた「ガン患者会」の中で聞いてきたがん患者の生の声、リアルな悩み・不安が書かれてあります。
例えば…
余命3か月と言われて目の前が真っ暗です。
という声に対して…
まず、余命宣告というのは不確かなものです。
という、
・そもそも「余命」とは?という説明から入り、
・余命宣告で言われる余命のデータについて
など、
「主治医からは説明のなかったこと」
をこの本ではきちんと説明されています。
いきなりの余命宣告
というある意味パニック状態の中で聞いた内容に不安になるのも当たり前です。
その不安はガン患者であればほとんどの人が感じるものを
この本では不安を少しでも解消できるようにしてくれます。
私が激しく共感した患者の声は?
この本を読みながら私が激しく共感した患者の声がいくつかあります。
見舞いに来る人たちの健康さが疎ましいです。
本人以上に家族が動揺してしまっています。
これは私も経験した不安たちです。
そして一部分であり、もっと多くの不安があります。
その不安一つ一つに対して「どのように気持ちを持っていったらいいのか」が書かれてあります。
治療の参考になる情報もしっかりある
患者の気持ちも大事ですが、一番重要なのはガン治療です。
そのあたりのこともしっかりと書かれてあります。
例えば…
最先端の治療、代替療法、抗がん剤治療について
ガンにならない食事について
ガン患者になったら絶対に避けては通れない情報たちも押川先生の立場から書かれてあります。私自身が参考になったことは、
食事について
です。ガン患者とその家族って生死にかかわることなので必死なんです。
私も心理的に落ち着くまではどんな治療でもやってしまいそうなそんな心境でした。
特にガン治療において「食事も大事」だと考えていましたが、
その「食事も大事」の中身が違いました。
その中身についてはあえて言及しません。
読んでどう考えるかは人それぞれだからです。
ただ、巷にあふれる「ガンに対する食事療法」についてもう一度考える機会にはなりました。
今はこの本を始めとして色んな情報をもとに自分たちなりの方針ができています。
後悔のない治療をしていくためにもいろんな情報に触れるというのはとても大事だなと韓がさせられた本です。
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他に役に立ちそうな本がたくさん紹介されている
一つ一つの声に対して、押川先生のしっかりとした説明もありますが、
それだけでは十分ではないかもしれないこともあり、
その一つ一つの項目に対して、そのほかに参考になる本も紹介されています。
実際の患者さんの闘病記から、治療のガイドブック、そして哲学や思考論の本まで様々です。私もこの中から読んでみたいな、と思う本がいくつかありました。
また読んでみて良かったものはブログでご紹介したいと思います。
分かりやすい言葉で寄り添ってくれる本
と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、この本は全くそんなことはありません。
一般の人でも、またガン宣告されて何にも情報のない人でも大丈夫なように分かりやすい言葉で書かれてあります。私もさっと読み終わりました。
患者さんのリアルな声というのも多岐にわたります。
この本のすべてを読む必要はありません。
自分が気になる箇所だけ読んでもとても参考になる本です。
ひとりで、自分たちだけでガン治療に対して気持ちも治療も孤独になっている方は
ぜひ手に取ってみてください。
それでは、またッ☆
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