ふと、そんな疑問がわきました。
「82年生まれ、キム・ジヨン」をはじめ、本好きさん、K文学好きな方は一度は「韓日翻訳者」について考えたこともあるのではないでしょうか?
私も職業選択の一つとして「韓日翻訳者」もありましたが、全くの未知の世界で高い壁のようなものがあって私には無理…と敬遠してました。
ただ、K文学の流行り等もあって「韓日翻訳者」ってどんな世界だろう?と興味がわき、ちょうどK-BOOK振興会で「韓日翻訳者育成プログラム」が開催されるとの情報を目にし参加してみました
全3回のうち、第1回目の参加をしてみたんですが
- とても面白かったので、
- もっと色んな方たちにも興味を持ってほしい、
- そして私の忘備録のためにも
ここに簡単に参加した感想を書いておこうと思います。
「韓日翻訳者」に興味のある方は参加するとめちゃくちゃタメになる!
*引用:K-BOOK振興会HP
今回参加したのは第1回目。
翻訳者としての本格的な内容は概要を見る限りは第2・3回目なはず。
だけど、1回目からタメになる話ばかりでした!
第1回目は翻訳以前の「本づくり」について
全3回のうち、第1回目は「本づくりの基本を知ろう―企画、翻訳、編集、印刷、マーケティングまで―」です。
出版業界とは縁もゆかりもない私には未知の世界。
だから、韓国の本が日本の書店に並ぶまでの途中過程を知れるのはとても面白かったです。
モデレーター、ゲストの方ともに編集者・出版社という現役バリバリの出版業界の方。
リアルもリアルな話が盛りだくさんでした!
私が聞いたものを簡単にまとめました。
この項目をもっと具体的に分かりやすく話してくださいました!
- 韓国の本が日本の書店に並ぶまでの流れ
- 選書(企画)もいろいろ
- リーディング、提案書に入れる項目と量、時間
- 翻訳にかける平均時間
- 翻訳書の値段の決め方
- 翻訳版権について
- 質の高い翻訳のための簡単なアドバイス
- 翻訳者に求めること(素質など)
- 本格的に翻訳に入る前に大まかな翻訳の方向を決める(一人称の訳し方とか)
ちなみに、リーディングとは…
韓国語ができない編集者に、ある韓国語の本のあらすじや作家情報、内容の一部を翻訳したものなどをまとめたものです。編集者に持ち込みする際に提案書として出したりするそうです。
個人的に印象に残ったこと3つ
私、個人的に印象に残ったことは下記3つです。
- 持ち込みからの出版、翻訳者デビューもある
- 原書と翻訳書は別物という考え方
- 翻訳者に求められるものは言語力だけじゃない!
少し掘り下げてに書いていきます。
①持ち込みからの出版、翻訳者デビューもある
私の勝手なイメージでは、
- 本は出版社の人が探し出す
- 担当の翻訳者に翻訳を依頼
でした。
なので、翻訳者が自分が翻訳した面白いと思える本を出版社に持ち込んで出版するという形があることに驚きでした。
私のイメージだと、
新しい翻訳者が発掘されない
から、「すでに活躍してる方がいる=新人の入る隙はない=翻訳者なれない」というイメージなので遠い遠い世界の話しでした。
が、持ち込みでも自分が翻訳したものが出版されることもある(相当な努力は必要ですが)というのはチャンスはどこにでも落ちている証拠なんだなと感じました。
もちろん、持ち込みだけでなく、K-BOOK振興会などで開催される翻訳コンクールに作品を出してみるという道もあります。(それすらも今回知りました)
②原書と翻訳書は別物という考え方
この話をされた時には「えっ?なんで???」と瞬間的に思ってしまいました。
だって、翻訳は原書があっての翻訳。
だから、原書をいかに原書のニュアンスに近く翻訳し、それを読む人に届けるか
というのが翻訳力だと思ってたからです。
原書と翻訳書は別物という考え方は文学やエッセイ分野での話だと私は思います。
文学やエッセイなどは、
読み手によって色んな解釈があるから
翻訳する人にとっても解釈が違う
だから、原書と翻訳書は別物
であると言ってました。
例えば、主人公が自分のことを指す「나」、一文字にしても日本語では「私、俺、僕、あたし」などがあるわけで。これの翻訳一つとっても読み手の印象は全く違ってきます。
膨大な文章の一つ一つをどう翻訳していくかで読み手の印象が変わってくる。
だからこそ原書と翻訳書は別物。
もう、なるほどぉーの連続であり、読み手としても原書と翻訳書と2つ楽しむという方法もあるなと読書の幅を広げてもらいました^^
➂翻訳者に求められるものは言語力だけじゃない!
今の時代だからこそ、でしょうか。
翻訳力、言語力はあって当たり前で、今の時代は提案力やマーケティング力もプラスαであるといいとか。
その理由を聞くと確かに!と思ってしまいました。
マーケティング力って!!??と耳を疑いますが、でも確かに本が売れないと言われてる時代であり、個人で宣伝できる時代だからこそのプラスαなのかもしれません。
「翻訳が好き」という方には挑戦する価値あり!
今回のプログラムに参加して一番感じたことでした。
翻訳そのものを楽しむ人がきっと良い翻訳者になるんだろうなと。
翻訳が好きな人は自分が訳したい物も多いと思います。
それを持って、いろいろ挑戦することをおススメします!というか編集者の立場としてもおススメされるの大歓迎!と言ってました。
編集者も面白い作品を探す手間が省けたりもするわけです。
もちろん、大手の出版社だと相手にされないなんてこともザラだそうですが、
小さな出版社はたくさんあると言ってました。
この辺りの詳しい事情もこういうプログラムだからこそ聞ける話ですよね^^
まだまだ遅くない!興味のある方は参加してみては?
もう第1回目は終わったら、もう参加できない!
なんてことはありません。
単回のみの参加も可能
あと2回残ってる
てか、残り2回はもっとディープな話
ですから、少しでも興味のある方は参加してみてください!
私も残り2回を楽しみにしています♪
それでは、またッ☆