こんにちは、トミヨです。
韓国生活約7年のうち、約2年をチョンセの賃貸に住みました。
韓国の賃貸契約の一つとして「チョンセ」があって、単純に考えて家賃ゼロで住めるから、かなり良い制度やわーって思ってたけど、
実際に住んでみると、結局それなりに色々気を遣うところもある。これなら普通の「ウォルセ(家賃)」で住む方が楽なのかもって思ったりもする。
— とみよ@宮崎移住3ヵ月目 (@tommys_ttul) May 21, 2019
チョンセ制度で実際に住んでみると、知らなかったこと(デメリット)が見えてきたので、今回はチョンセのデメリットについて書きたいと思います。
はじめに:チョンセとは?
韓国にある特有の賃貸制度です。
*ご存じの方はここは読み飛ばしてください^^
日本での賃貸制度は家賃という仕組みがほとんどですが、韓国では家賃制度であるウォルセともう一つチョンセがあります。
チョンセの仕組みは簡単で、以下の通りです。
入居時⇒大家にお金を預ける
入居⇒契約期間、そこに住む
退去時⇒大家に預けたお金を全額返してもらう
単純に考えるとチョンセ制度は「家賃ゼロ」で住めるというものです。
チョンセ制度の最大のメリットは「家賃ゼロ」
「家賃ゼロ」ってかなり魅力的ですよね!
【韓国住みあるある】
韓国に住んでチョンセという制度を一度利用してしまうと、
もうウォルセで家賃を払うのが馬鹿馬鹿しくなってきて、
家賃を払うことへの抵抗感が半端なく大きい。日本移住で賃貸に住むのにかなりの抵抗感があるのは今の私です🤣
— とみよ@宮崎移住3ヵ月目 (@tommys_ttul) April 26, 2019
確かに日本移住にあたり家賃を払うということへの抵抗感はかなりありますし、支出の家賃に占める割合というのは大きいです。
私自身もチョンセで賃貸に住む前までは…
という認識でした。
しかし、実際に住んでみると「家賃ゼロ」に対するデメリットもそれなりにあることに気づきました。
住んでみた分かった!チョンセ制度のデメリット!
メリットがあればデメリットもありますよね^^
チョンセに住んで分かったこと。
メリット
・家賃ゼロデメリット
・最初に大きなお金が必要
・借金を背負う時もある
・スムーズに部屋を出ていけない
・次の入居者との日程調整が大変
・入居時に預けたお金が還ってこないかもしれないというリスクがあるデメリット項目がたくさんだった🤣🤣
— とみよ@宮崎移住3ヵ月目 (@tommys_ttul) May 21, 2019
私自身がチョンセに住んでみて感じたデメリットは以下の通り。
一つずつ見ていきます。
最初に大きなお金が必要
1000万円単位のお金が必要です。
もちろん、ソウルやソウル近郊でありビィラ、アパートの一般的な金額です。
チョンセはその物件の市場価値(=売買価)を入居時に大家に預けます。大家はそれを契約期間(大体2年以上)を銀行に預けて、その利子で利益を得ます。
そのため金額が大きくなければ、得られる利子が少なくなるので大家としてはメリットがありません。しかし、逆に入居者の立場としては家の売買価を入居時に必要とするので大きなお金が必要になります。
このお金を準備するのがとりあえず大変です。
基本的に借金を背負う
入居時に大きなお金が必要ですが、そのためにほとんどの方は借金をしなければいけません。
銀行から借り入れをするしかありません。ですので借金を背負うことになります。新婚夫婦だと銀行からの借り入れの際の金利が低いですが、そうでない場合には借入額によっては利子の額が家賃よりも多くなる場合もあるので要注意ですね。
スムーズに部屋を出ていけない
契約期間に縛られたりと気軽に引っ越しができません。
大家は銀行に長期預金をすることで利益を得ています。ですので、契約期間を守る必要があり、気に入らないからとすぐに出ていくということが難しいです。
次の入居者との日程調整が大変
大家としては退去と入居が同時に行われるのを好みます。
新しい入居者からもらったお金で退去する人への支払いをしたいからです。そうすると大家の立場で考えると大家から出すお金というものはありません^^;;
ですので、大家としても新しい入居者と退去者と日程を合わせて出て行ってもらいたいですし、退去者としても新しい入居者がくれば、お金が無事に返ってくる可能性が高いので助かります。
ですが、次の入居者探しも、入居者との日程調整も結構大変です。
【最大のデメリット】入居時に預けたお金が還ってこない可能性
まさにこれが一番のデメリットかもしれません。
基本的には大家に預けたお金を返してもらえるという前提でのチョンセ制度ですが、そう上手くはいかずに苦労する場合も多々あるようです。というよりも実際にお金を返してもらえないトラブルに遭いました。
その理由としては下記のような感じだと思います。
・賃貸で入った物件が抵当権により大家の借金の肩代わりになる
・大家がトンズラ
・次の入居者が決まらないため、大家がお金を準備できない
上記の状況により、きちんとお金を全額返してもらえない場合もあります。私たちの場合は3つ目でした。
お金を返してもらえないリスクはゼロではなく、区庁などで手続きをすれば保証をしてもらえる制度もありますが、結局、お金を返してもらうまでに時間も労力もかかり苦労をします。
ボイラーなどの故障は入居者負担の場合がある
最近は大家負担になりつつありますが、入居者が負担しなければならない場合もあるそうです。
とうとうボイラーが壊れたか…
今日やけに寒いなと思ったんだよね😫こういう時はコタツがあって良かったなって思う👍
とりあえずの寒さはしのげるからね😣
— とみよ@宮崎移住3ヵ月目 (@tommys_ttul) March 21, 2019
特にボイラーは大家が設置するのですが、ボイラーの機器自体が古い場合があり入居期間中に故障する場合があります。私たちも2回ほど故障しました。
昔のチョンセはボイラーが故障した場合は、入居者がボイラーの費用を負担したそうです。最近は大家が負担する場合が多くなってはいるそうですが、普通の家賃(ウォルセ)と違って入居者が負担しなければならないものがあるのは確かです。
ちなみにあまりの寒さに水道が凍った場合も私たちが原因ではありませんでしたが、結局、大家と折半して費用を支払いました。
まとめ:「家賃ゼロ」がすべてではない
私自身もそうでしたが、「家賃ゼロ」だからお得なわけではないということです。
チョンセには一番リスクの高いデメリットがあるため、ウォルセ(家賃)よりも気を遣うことも多く不便なこともあります。
もちろん、「家賃ゼロ」は本当に魅力的ですし、韓国の銀行金利が下がり続けている今、このチョンセ制度がいつまであるかも分かりませんので、チョンセ制度を利用することも悪くはありません。
ただ、メリットが大きい分デメリットも多いので、長短所を比較して賢くチョンセを利用する方が良いかと思います。